【とやま】スタッフおすすめ作品☆12/17(金)公開「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」☆
12月に入り、大作公開が続いていますが、小規模でも良い作品もたくさんです!本日は「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」をご紹介します!
1987年、コロラド州デンバー。スーパーで働くクレオは、大好きなバンド「ザ・スミス」の解散ニュースにショックを受け、常連のレコードショップ店員のディーンに「街の連中に一大事だと分からせたい」と思いをぶつけます。クレオが好きなディーンは彼女をデートに誘いますが、いつもどおり断られてしまいます。一方、クレオの元恋人ビリーは翌日に陸軍入隊を控え、仲間のシーラとその恋人パトリック、クレオの4人で最後のどんちゃん騒ぎを計画していました。その頃、ディーンは地元のヘビメタ専門ラジオ局に行き「ザ・スミスの曲をかけろ!」とDJに銃を突きつけて…。
1980年代のサッチャー政権下であるイングランドで、賃金の低下や失業率の増加など、不満を持つ若者たちの気持ちを代弁したと言われるバンド、ザ・スミス。カリスマ性あるボーカル・モリッシーが書く文学的な詞と、ギターのジョニー・マーが紡ぐメロディアスなフレーズが人気を博し、活動期間が5年と短いことでさらに熱狂的なファンを生み出しました。
実際に彼らのファンが起こし、未遂に終わった“ザ・スミスファンのラジオ局ジャック事件”をヒントに作られた本作は、音楽映画に定評のあるスティーヴン・キジャックが監督を務めました。ザ・スミスの楽曲が劇中で20曲以上流れるほか、当時の貴重なインタビュー映像も散りばめられ、メンバーとの関係や解散について語る若きモリッシーも確認できます。
ドラッグや酒を嗜み大勢で騒ぐ-ともすれば自堕落に見える、クレオ、ビリー、シーラ、パトリックの4人。心の内では、アイデンティティと向き合えずにいたり、家族について悩み、将来に不安を覚え、各々が一夜限りのパーティーを心から楽しめずにいます。そのやるせない気持ちに寄り添ったのが、ザ・スミス。当時の若者たちが、いかに彼らの楽曲に「救い」を求めていたかが伝わってきました。また、ディーンが押し掛けたラジオ局のメタル専門DJミッキーが、「聴くと涙が出る曲は、お前らを救うと憶えておけ。救いの音は、爆弾の音よりも大きい」と、リスナーに向かって呼びかけるシーンでは、ジャンル関係なく「音楽が好き」という思い、ファンの芯や根は一緒なんだと感じました。
ザ・スミスのファンでなくとも、音楽が好きな方にはぜひ観て頂きたい作品です。ぜひ劇場でご覧ください!
公式HPはこちら→http://sotw-movie.com/
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J MAX THEATERとやま
【とやま】『細野晴臣 サヨナラ アメリカ』 上映記念 出張販売が行われました。
いつもJ MAX THEATERとやまをご利用頂きまして、誠にありがとうございます。
本日「サヨナラアメリカ」14:40回の上映終了後、まちなかにあるディスクビートさんにお越し頂き、「細野晴臣さん」のCDやレコードの出張販売を行って頂きました!
短い時間ではございましたが、たくさんの種類のCDやレコードが並び、作品を観た方々にとって、楽しい時間になったことと思います。
ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございます
また、ディスクビートさん!
本日はありがとうございました。
また、ぜひ、当館での出張販売をお待ちしております!
「サヨナラアメリカ」まだまだ上映中です!お早めにご鑑賞くださいませ。
J MAX THEATERとやま
【とやま】スタッフおすすめ作品 ☆12/3(金)~12/16(木)「梅切らぬバカ」☆
いつも J MAX THEATERとやま をご利用頂きありがとうございます。12月になりました。一年が過ぎるのは本当に早いですね。J MAX THEATERとやま は、12月も話題作、注目作が目白押し。そんな中から今回はキラッと光る日本映画「梅切らぬバカ」を紹介します。この映画は、「上映しないの?」「観たい!」と多くのお客様からリクエストの声があった作品でもありました。お客様のご要望にお応えできて当館としても大変嬉しく思っています。是非、沢山の皆さんにご覧いただきたい作品です。
占い業を営む山田珠子(加賀まりこ)は、自閉症の息子・忠男(塚地武雅)とふたりで暮らしています。庭に一本の梅の木が生えているのですが、その枝は塀を越え、私道にまで乗り出し通行の妨げになっていました。隣家に越してきた里村茂は、そんな梅の木と予測のつかない行動をする忠男を疎ましく思っています。自分がいなくなった後の忠男の人生を考えた珠子は、知的障害者が共同生活を送るグループホームへ忠男を入居させます。新しい環境での生活に戸惑う忠男は、ある晩、近隣住民を巻き込むトラブルを起こしてしまい・・・。
生きていくうえでは否が応でも他者と関わっていかなければなりません。その中では、いろいろなトラブルや行き違いが起こります。本作でも、隣人、グループホーム、近隣住民といった自閉症の忠男を取り巻く様々な立場の人たちの思惑が交差します。珠子は「お互いさまですよね」と諭します。自閉症に限らず、正しく理解し少しだけ相手の立場で物事を考えられる寛容さがあればきっと良い社会に向かうのではないでしょうか。多様性を尊重する社会や働き方改革といった大きな時代の流れへの問題意識を持つことも大事ですが、本作のような日々の営みの中で自分の身近に起こりうる問題について理解を深めることがその第一歩になるはずです。
本作のタイトルは『桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』という言葉がもとになっています。桜は枝を切ると枯れてしまう事があり、反対に梅は枝を切らないと良い実がつきません。樹木それぞれの特徴に合わせた世話が大切だという教えです。転じて、人との関わりにおいても、相手の性格や特徴を理解しようと向き合うことが大事だという戒めになっています。監督は、映画の中で障害の象徴でもあった梅の木を切ることも考えていたそうです。しかし、実生活においても現在のパートナーの男性の息子さんが自閉症だという母親役の加賀さんから「梅の木が切られたり、根こそぎ持ってかれるのは、自分の人生が否定される気がする」との言葉を受け、障害のある側が変わるのではなく周りのちょっとした変化を描くことを大切にした、と脚本を変更したこと明かしています。切らなければならない枝などない、そんな優しい社会になればいいですよね。
※「梅切らぬバカ」は12月3日~12月16日の2週間上映
※ 公式サイト→https://happinet-phantom.com/umekiranubaka/
©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト