火喰い鳥を、喰う
STORY〜 ストーリー
信州で暮らす久喜雄司(水上恒司)と妻の夕里子(山下美月)はある日、一家代々の墓石から、太平洋戦争で戦死した先祖・久喜貞市(小野塚勇人)の名が削られていることを知る。
時を同じくして、地元紙「信州タイムス」の記者・与沢一香(森田望智)とカメラマン・玄田誠(カトウシンスケ)が、生前の貞市が戦地ニューギニア島で書いたという日記を携え久喜家を訪れる。その日記に綴られていたのは、戦地での壮絶な日々と、何としてでも生きようとする貞市の異様なまでの執念だった。その気にやられたのか、玄田が突如「久喜貞市は生きている」と呟き、さらに夕里子の弟・亮(豊田裕大)が日記に「ヒクイドリヲ クウ ビミナリ」と書き込む。ふたりの常軌を逸した行動に戸惑う雄司たち。
そしてこの日を境に、玄田が正気を失い倒れ、雄司の祖父、保(吉澤健)が姿を消すなど彼らの周囲で不可解な事件が頻発するようになる。
事態の真相を探るべく、雄司らは夕里子の知人で超常現象専門家の北斗総一郎(宮館涼太)の力を借りることに。顔を合わせるや、雄司を値踏みし、「夕里子とそぐわない」と挑発する態度をとる北斗に戸惑う雄司。
北斗が言うには、玄田の「久喜貞市は生きている」という言葉がトリガーとなって、自分たちが今いる現実とは別の、久喜貞市が死ななかった新たな現実が生み出されてしまったのだという。北斗の言葉を裏付けるように、貞市の生への執着が現実を侵食し、雄司らの現実は徐々に、しかし確実に変容していく――。
MOVIE DATA〜 作品データ
©2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会