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【とやま】12月おすすめ作品 12/11(金)~☆『パピチャ 未来へのランウェイ』☆

2020.12.09 投稿

12月はあれもこれも観たいとプログラムとにらめっこ、そんなお客様も多いのではないでしょうか?さて、今日は11日から公開される『パピチャ~未来へのランウェイ~』を紹介します!
 『パピチャ』とは、アルジェリアのスラングで「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」という意味で、本作は90年代のアルジェリアが舞台。これが長編デビュー作となるムニア・メドゥール監督が、”暗黒の10年”と呼ばれた内戦下に横行していた弾圧を、劇的かつ瑞々しく描いています。
 大学生ネジュマは、ナイトクラブで自作のドレスを販売しており、夢は世界中の女性の服を作るファッションデザイナーになること。ところが、大学のある首都アルジェでは、過激派武装勢力の台頭によりテロが頻発し、女性はヒジャブの着用を強制するポスターがいたるところに貼られるようになっていました。それを拒むネジュマは、ある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、命がけでファションショーを行うことを決意します。
 監督自身の経験が色濃く反映されており、「女性たちがどう戦ったか・どう抵抗したか、主人公を通して当時の混乱の中にいる女性の視点で描きたかった」というストーリーは、観ている人の感情を大きく揺さぶるでしょう。そして、授業のシーンで大学教授が引用する、フランスの生物学者/哲学者・アルベール・ジャカールの「未来の社会を作りたいのではない。今とは違う社会を提示したい」という言葉が示すように、時代を問わず、慣習や戒律に縛られた女性たちの解放とその問題提起が強く表れた作品です。
 2020年は映画業界にとって辛く我慢の多い年でしたが、本作のような女性の生き方や女性の声を反映した作品、とくに女性監督作の躍進が多く見られた年でもありましたね。『ハスラーズ』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』、『はちどり』、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』、『フェアウェル』、『82年生まれ、キム・ジヨン』といった”シスターフッド”や”ガールズ・エンパワーメント”作品を観て心が震えた方、必見ですよ。そして、来年公開となる『燃ゆる女の肖像』を、心待ちにしてください!


「パピチャ~未来へのランウェイ~」は12月11日より公開。
公式サイトはこちら→https://papicha-movie.com/

 

【とやま】12月のおすすめ作品☆『ストックホルム・ケース』をご紹介☆

2020.12.06 投稿

今月も洋画邦画ともにバラエティに富んだプログラムが並びました。何と言っても「はりぼて」は大注目ですが、観てほしい!とスタッフ激推し作品が「はりぼて」と同じく11日より上映の「ストックホルム・ケース」です。
“ストックホルム症候群”という言葉をご存じでしょうか?誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、連帯感や犯人への同情・共感といった感情を抱く心理現象のことを言います。この映画は、“ストックホルム症候群”の語源となったスウェーデン史上最も有名な銀行強盗事件を描いたものです。
この心理現象を語る上で必ず引き合いに出されるのが、1974年アメリカで起きたパトリシア・ハースト事件です。映画「市民ケーン」のモデルになった新聞王ランドルフ・ハーストの孫娘で当時19歳だったパトリシア・ハーストが過激派組織に誘拐されてしまいます。その2ヶ月後にこの過激派組織は銀行を襲撃するのですが、誘拐されたはずのパトリシアが犯人グループと共にライフル銃を持って強盗を行っていたのです。ハースト事件はTVでも度々紹介されたりしているので知っている方も多いと思いますが、ハースト事件の前年1973年に起こった言葉の語源となったストックホルムの事件のことはあまり知られていないのではないでしょうか。
アメリカに憧れを抱くラース(イーサン・ホーク)はアメリカ人風を装いストックホルムの銀行に強盗に入ります。しかし計画性のない強盗は失敗。あっという間に銀行は警察に包囲されてしまいます。ラースは幼い子を持つビアンカ(ノオミ・ラパス)を含む3人を人質に銀行に立てこもる羽目になり、事件は長期戦となっていきます。すると犯人と人質の関係だったラースとビアンカたちの間に不思議な共感が芽生え始めます。
銀行強盗、人質、警察。言葉だけを並べると手に汗握るサスペンス映画の匂いがプンプンしますが、この映画はクライム・サスペンスというよりもオフビート・コメディといった方が合っているかもしれません。銀行強盗での人質監禁ですからヒリヒリと緊迫した場面も有りますが、凶悪犯を装ってはいるものの些細なことで慌てふためいたり、必死だけどどこか抜けていたりするラースが可笑しいのです。挙句の果てに人質から監禁の手助けまでされちゃいます。もう、どっちが犯人で人質かも怪しくなります。映画を観ながら何度もクスッとなりました。で、映画を観ているうちにラースにどんどん肩入れしている自分がいるんですよ。そして、“あぁー、人質のみんなの気持ちわかるよなぁ”って、すっかり自分がストックホルム症候群の症状に陥ってしまう始末(笑)。誰だって映画で描かれるような体験はしたくはありませんよね。でも、この映画をご覧なれば皆さんもストックホルム症候群を疑似体験できますよ。そして、心の中でこう叫ばずにはいられなくなることでしょう。“ラース、しっかりしろよ!”
**「ストックホルム・ケース」は12月11日より公開。
公式サイトはこちら→http://www.transformer.co.jp/m/stockholmcase/

 

【とやま】11月のおすすめ作品☆11/27(金)~12/10(木)『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』☆

2020.11.13 投稿

「富山出身の有名人と言えば?」の質問に、今は多くの富山県民が「朝乃山!」と答えるのではないでしょうか? 11月場所は残念ながら途中休場となってしまいましたが、怪我を治しわたしたちをまた楽しませてくれることを願いましょう。
さて、そんな皆さんにおすすめしたい映画が、27日から公開される『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』です。本作は、力士たちが所属する相撲部屋に約半年間密着し、歴史・文化・競技について様々な角度から”大相撲の世界”を描いた、エンターテインメント・ドキュメンタリーです。テレビ番組『マツコの知らない世界』で”相撲めしの世界”を取り上げたことで大相撲に魅了された、番組プロデューサーの坂田栄治氏の「力士が稽古でぶつかる音や両国国技館のお祭りのような雰囲気を、テレビではなく大きなスクリーンと大きな音で再現したい。何とか作品として残したい」という強い思いから作られました。
力士は10段階の番付に分けられ、全員が相撲部屋に所属しています。番付の下の方にあたる約700人の”幕下力士”が群雄割拠の番付を勝ち上がり、横綱・三役・平幕・十両の70人という”幕内”を目指し、毎日稽古に精を出しています。本作のコピーにもあるように、200kg近い大きな男たちがぶつかり合う、それは「毎日が交通事故」です。厳しく苦しい日々の中で「人」「食事」「声援」を支えに力士たちは今日も稽古に励む…そんな男たちの日常が描かれています。取材対象となった相撲部屋は、30代の関取衆が多い「境川部屋」と、若手の2人の関取が部屋を引っ張る「高田川部屋」。2つの部屋のコントラストを楽しむことが出来ると思います。前者では、既に引退した大関・豪栄道の現役時代にスポットを当てています。引退会見でご本人が話していた、大関の美学が伝わるのではないでしょうか。後者では、朝乃山と同様、ひさしぶりの山梨県出身関取となった竜電が、朗らかに大相撲や稽古について語っています。
残念ながら朝乃山の出演はありませんが、大相撲が好きな方や朝乃山ファンの方はより好きになり、関心のない方はもっと知りたくなる、そんな映画です。ぜひ劇場で、音と映像を、大相撲の世界を楽しんでください!

『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』11/27(金)~12/10(木)まで2週間限定上映!!お早めに!!
公式サイトはこちら→https://sumodo-movie.jp/

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    【とやま】11月のおすすめ作品☆11/13(金)~「82年生まれ、キム・ジヨン」☆

    2020.11.10 投稿

     「鬼滅の刃」熱はまだまだ冷める気配はありませんが、これからJ-MAXとやまでは話題作が続々と公開されます。今月もスタッフが気になる作品を紹介していきますね。
    様々な場面で“フェミニズム”という言葉を耳にします。辞書には、女性が男性と同等の権利を得ることで両者が対等な立場で生きていくことを目指す思想であり運動、とあります。今週13日から当館で上映開始となる「82年生まれ、キム・ジヨン」はフェミニズムについて深く考えさせられる作品です。女性、男性それぞれが何を思うのか?ついついそんなことが気になってしまいます。
     1982年生まれのキム・ジヨンは結婚を機に会社を辞め、1歳になる娘の子育てをしている主婦です。育児と家事に追われ母であり妻であることの毎日で、ジヨンは言い知れぬ閉塞感に苛まれることがあります。そんなジヨンに異変が起き始めます。ある日からまるで他人が乗り移ったような言動をするようになるのです。母親が憑依したように振舞ったり話したりします。それはときに祖母であったり、知人であったり…。ジヨンにはその間の記憶はありません。何故彼女の心は壊れてしまったのでしょうか?
    原作は韓国で130万部以上を売り上げた大ベストセラー小説です。去年、書店で平積みされたこの小説の表紙におもわず目がとまりました。描かれていたのは、長めの髪に輪郭だけの顔のない女性でした。彼女がどんな表情のどんな女性なのかわかりません。気になったのでオリジナル韓国版の表紙も調べてみました。こちらは女性の全身が描かれていますが顔が黒く塗りつぶされていてやはり表情がわかりません。キム・ジヨンという名前は、1982年生まれの女性で最も多い名前だそうです。どこにでもいる普通の女性の物語ということなのですね。顔のない女性は読者ひとりひとりであり、その読者が主人公のキム・ジヨンでもあるということなのです。映画の中ではジヨンの幼少期から現在までを回想します。それは、儒教的な家父長主義がいまだに残るといわれる韓国社会での女性軽視や女性の生きづらさを描くことでもあります。多くの日本の女性も「あるある、わかるわー!」と本作で描かれるエピソードに深く共感するのではないでしょうか。
    「そんなこと言うけど、男だって大変なんだぞ」と反発する男性たちは必ずいます。実際、韓国においても、女性優遇だとか男性への逆差別だってあるとの激しいバッシングがあったそうです。それでも、なるべく多くの男性にこの映画を観てもらいたいと思います。ジヨンの夫は彼女の心の痛みを理解しようとし、愛情深く接し彼女助けようとします。しかし、彼1人の力で彼女を支えきれるわけもありません。長い歴史の中で蓄積された性差別の意識や社会の仕組みは簡単には変えられないのです。このような作品が社会の意識を変えるきっかけになることを期待し、“分からないかもしれないけど理解しよう”と思う人が増えればいいなと願うのです。

     **「82年生まれ、キム・ジヨン」は11月13日より公開
        公式サイトはこちら→klockworx-asia.com/kimjiyoung1982

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    【とやま】映画『とんかつDJアゲ太郎』公開記念タイアップキャンペーン

    2020.10.30 投稿

    10/30(金)から上映の映画『とんかつDJアゲ太郎』の公開を記念して、タイアップキャンペーンを開催!

    JMAX THEATER とやまで、映画『とんかつDJアゲ太郎』ご鑑賞になった当日の半券チケットを下記の店舗へご提示して頂ければ、アゲ物のお得なサービスが!

    『DISH BAR TRASH』
    沖縄風とりから(あおさのり)を半額で!

    『沖縄料理の店 ちゃんぷる』
    本日のミニ揚げ物をサービス!

    どちらの店舗もオーダー時にご提示ください。
    別途お一人様、ワンオーダーをお願いします。
    通常の半券サービス併用可。
    『DISH BAR TRASH』オーダー時、当日半券ご提示でドリンクメニューALL30%オフ
    『沖縄料理の店 ちゃんぷる』当日半券ご提示で1会計につき10%オフ(ランチタイム除く)

    キャンペーン期間
    10/30(金)〜11/29(日)まで

    『DISH BAR TRASH』
    富山市総曲輪3-3-16 076-423-8926
    営業時間
    [月〜木・日]
    18:00~23:30(L.O)
    [金・土・祝前日]
    18:00~翌0:30(L.O)
    日曜営業
    定休日
    水曜日
    営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください

    『沖縄料理の店 ちゃんぷる』
    富山市一番町3-9 076-422-3588
    営業時間
    17:00~24:00
    日曜営業
    定休日
    月曜 (但し祝祭日、祝祭日前日は営業)
    営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください

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    【とやま】10月のおすすめ作品「mid90s ミッドナインティーズ」、「ハニー・ボーイ」

    2020.10.22 投稿

     いきなりですが、ほんとに凄いんですよ「鬼滅の刃」。映画史のいろんな記録を塗り替えていますが、当館の一日の最多入場者数の記録もあっさりと塗り替えてしまいました。スタッフも対応にてんてこ舞い。一日を無事に乗り切ったときはもうグッタリとなりますが、こんな疲れなら大歓迎。少し前まではコロナ禍で閑散とした劇場でしたが、多くのお客様で活況なロビーフロアを見ていると本当にありがたい気持ちで胸がいっぱいになります。さて、そんな鬼滅“フィーバー”(死語?・笑)の陰に隠れてしまいそうですが、是非、観てもらいたいスタッフおススメの二作品「mid90s ミッドナインティーズ」、「ハニー・ボーイ」を紹介したいと思います。
    この2作品にはいくつもの共通点があります。両作共1990年代の半ばが舞台となっていて、「mid90s」のスティーヴィーは13歳、「ハニー・ボーイ」のオーティスは12歳とローティーンの男の子が主人公です。そして、「mid90s」の監督/脚本はジョナ・ヒル、「ハニー・ボーイ」の脚本はシャイア・ラブーフと、俳優として華々しいキャリアを築いている二人が製作者として作品を生み出しています。そしてなによりも興味深いのは、それぞれの作品が二人の自伝的な物語であるということです。
    思春期の頃に誰もが覚えがあると思いますが、少し背伸びをしたり自分を大きくみせようと見栄を張ったり。「mid90s」は、そんな13歳のスティーヴィーの青春をスケートボードと当時の音楽にのせて描きます。「ハニー・ボーイ」は、22歳になったオーティスが10年前の12歳にさかのぼって父とのトラウマを乗り越えて再生していく物語です。シャイア・ラブーフのトラウマとなった彼の父親役をラブーフ自身が演じているのも注目です。
    この二作品を観た時に、大人になった今だからこそ色々なことを感じる作品だと思いました。12歳~13歳の頃の自分を思い出してみてください。大人になることなんて考えてもいなかったし、例え大人になるとしても、それは永遠に遠い未来のことだと思っていたんじゃないでしょうか?でも否応なしに誰もが大人になり、社会に出て数々のことを経験します。良いことも悪いことあるし心が疲弊することも。「mid90s」13歳スティーヴィーの世界は大人のそれと比べてとても小さなものです。でも、その小さな世界が自分にとってかけがえのない時間だったと心が震えるのは、大人になったからこその感情だと思うのです。「ハニー・ボーイ」12歳のオーティスが、粗野な父親に振り回された日々を大人の入口に立った22歳のオーティスが回想します。彼が感じる“痛み”は何なのか?家族というものに想いを馳せることができるようになった今ならオーティスの痛みを理解できます。この二作品を同じ週から一緒に上映するなんて何と魅力的なプログラム!と自画自賛したくなってしまいます。
    話は変わりますが、去る10月17日にユウタウン前の屋外広場ウエストプラザで「mid90s」の上映前イベントを行いました。「LOVEBUZZ」というDJイベントを18年も続けていらっしゃるCHIGON(ちごん)さんをゲストにお迎えし、当館の金子支配人と「mid90s」の作品の魅力や見どころについてトークセッションを行いました。J-MAXとやまとして初めての試みだったのですが、20人の皆さんにご参加いただきました。ありがとうございました。今後も不定期ではありますがタイムリーなゲストを迎えてのトークイベントを行っていこうと思っています。このスタッフブログもそうですが、映画館で映画を観る楽しさを伝えられるような試みをやっていこうと思っています。今後ともJ-MAXとやまをよろしくお願いいたします。
    ※「mid90s ミッドナインティーズ」「ハニー・ボーイ」共に10月23日~上映開始
                                          

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    【とやま】10月のおすすめ作品★10/2(金)~『フェアウェル』★

    2020.09.29 投稿

     今回おすすめしたい映画は「フェアウェル」です。主人公のビリーは幼い頃に両親とアメリカに移住し、今はニューヨークで暮らしています。ある日、中国に住む祖母のナイナイがガンで余命3ヶ月だということを知らされます。親族は祖母にはその事実を伝えないことにし、最後に親族一同が顔を揃えて祖母に会いに行く口実として、ビリーのいとこの“嘘の結婚式”を開くことにします。アメリカで育ったビリーは、ガンの事実を祖母に言わない選択に納得がいきません。中国で過ごした数日間でビリーは祖母や親族といろんな話をします。そして、中国の文化や考え方に触れたことで自分のアイデンティティについて深く考えることになります。映画はビリーのそんな姿を、ユーモアを交えながら描いています。
    最近、「ダイバーシティ」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。国籍・人種・民族・宗教・学歴・性的指向等の「多様性」のことです。本作は、アメリカでわずか4館からの公開スタートだったにもかかわらず公開3週目には全米TOP10入りを果たすという異例の大ヒットを記録しました。そして、アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞では、主演のオークワフィナがミュージカル・コメディ部門でアジア系女性としては初めて主演女優賞を獲得しています。インディーズともいえる小さな資本の作品が口コミで全米へ広がり大ヒットしたのはどうしてでしょうか?そこには移民大国アメリカのダイバーシティへの関心の高さがヒットにつながった要因のひとつなのではないかと思います。
    本作は、1983年に北京で生まれマイアミで育った中国系アメリカ人の女性監督 ルル・ワンの実体験から生まれました。映画の主人公ビリーには、ワン監督自身が投影されています。アメリカで育った中国人として、自分のアイデンティティに向き合い続けたワン監督の想いがこの映画をつくるきっかけとなっています。「かつての時代は白か黒か二つのものしかない世界だったのが、今はより複雑にいろいろなニュアンスを持つ世界になってきていて、しかもそれがいろんな形で交錯もしていく。だから人は一度にいろいろなものでありえる時代になってきていると思います。」ワン監督はインタビューでそのように答えています。自分がどの国の人間であるとか、何人であるとか、そんなことよりも二つの異なる国のルーツと文化を持つことによって自分の中で生まれるアイデンティティを大切に生きていけばいいし、それが可能な時代になってきていると映画の中でワン監督は伝えているように思います。中国から戻ったビリーが、様々な多様性を持った人々が行き交うニューヨークの雑踏を歩いています。彼女が少し成長したように見えるのは気のせいだけではないでしょう。
     思い出されることがあります。社会生活における多様性を意味するダイバーシティは、もともとは、アメリカにおいてマイノリティや女性の差別のない公正な処遇の実現を求める運動から広がったものです。韓国映画「パラサイト」が作品賞を受賞した今年のアカデミー賞において、監督賞にノミネートされた女性監督はひとりもいませんでした。授賞式でナタリー・ポートマンは、ノミネートされるべき女性監督たちの名前を金色の糸で刺繍したケープをまとい抗議の意を表しました。そこにはルル・ワン監督の名前もありました。
     ※公式サイトはこちら →http://farewell-movie.com/
      映画「フェアウェル」は10月2日より公開

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    【とやま】9月おすすめ作品 ★9/18(金)~10/1(木)『ファヒム  パリが見た奇跡』★

    2020.09.13 投稿

     いつもJ-MAXとやまをご利用いただきありがとうございます。9月の上映作品から今回紹介するのは、「ファヒム  パリが見た奇跡」です。派手ではありませんが、実話をもとに描いた心がほっこりする奇跡の物語です。
     政治情勢が不安定なバングラデシュの首都ダッカに住む8歳のファヒムは、チェスの才能に秀でた少年です。反政府活動に加担していたことで身の危険を感じたファヒムの父親ヌラは、ファヒムを連れフランス・パリへ脱出します。二人は何のつてもなく言葉もわからない土地で路頭に迷いますが、赤十字に保護され難民保護施設に入ることができました。父親の難民申請の審査を待つ間、ファヒムはチェス教室に通います。そこでフランスでも有数のチェスのトップコーチ シルヴァンと出会いチェスの大会にも出場するようになります。しかし一方で、父親の難民申請は認められず強制退去をしなければならなくなりました。解決策はただ一つです。それは、ファヒムがチェスでフランス王者になることです。
     本作は、コーチの厳しい指導の下でチェスのフランス王者を目指す熱血サクセス・ストーリーを描きたかったわけではありません。同じチェス教室に通う同世代の子どもたちとのふれあいや見守る大人たち。祖国を後にしてフランスにやってきた同じ境遇の人たち。見知らぬ土地で出会ったそんな人たちとファヒムの交流と心の成長をチェスを通して描いた人間ドラマです。
     ファヒムを演じたのは、演技経験が全くないアサド・アーメッド君。彼は、バングラデシュから移民としてフランスに来たわずか3ヶ月後に偶然キャスティングされました。映画撮影の期間にフランス語を覚え、チェスをマスターし、異国の文化や生活習慣に馴染んだアーメッド君は、まさにファヒムを体現しているといってもいいでしょう。生まれて初めて海を見るシーンがあるのですが、アーメッド君自身にとっても初めての体験でした。演技を越えた彼の感動が伝わってきます。そして、ファヒムにチェスを指導するコーチのシルヴァンを演じたフランスの名優ジェラール・ドパルデューのちょっと気難しいけど慈愛に満ちた演技が、素晴らしいフランスワインのような芳醇さをもたらしています。是非味わってみて下さい。
     本作の監督ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァルは、インタビューで「おとぎ話が大好きだし、おとぎ話を固く信じている。」と語っています。まさにこの実話はおとぎ話そのものです。しかし、数多くの路上生活者やテント生活者がいる難民や移民の悲しい現実があることを忘れてはいけないとも感じます。言葉もわからず仕事も見つけられないファヒムの父ヌラが味わう疎外感や難民申請の通訳から受ける嫌がらせ。映画ではそんな実情もさりげなく描いています。奇跡のおとぎ話じゃなくてこれが当たり前の社会になれば。この作品には監督のそんな強い想いも込められていると思います。

     ※「ファヒム パリが見た奇跡」9月18(金)~上映開始 (10月1日(木)までの期間限定上映)
       公式サイトはこちら→ https://fahim-movie.com/

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    【とやま】9月おすすめ作品 ★9/11(金)~『海辺の映画館 -キネマの玉手箱―』★

    2020.09.07 投稿

    日頃よりJ-MAXとやまをご愛顧いただきありがとうございます。時間の経つのは本当に早いものですね。もう9月です。今月も多彩なラインナップで皆さんのご来館をお待ちしています。さて、今月最初にご紹介したい作品は大林宣彦監督「海辺の映画館 -キネマの玉手箱―」です。
     尾道の海辺にある映画館 瀬戸内キネマが閉館することになりました。最終日は日本の戦争映画大特集です。上映がはじまると、映画を観ていた3人の青年がスクリーンの中に入り込んでしまいます。彼らはそこで様々な時代の戦争を目にし、戦争に翻弄される沢山の人々と出会います。大林監督の全ての作品に通底する反戦のメッセージが、本作でも全編に貫かれています。
    この作品をなんて説明すればいいのだろう?だって、宇宙船にのった爺さんが海辺の映画館にやって来てなんだかんだと愚痴る反戦映画なんです、っていっても益々謎ですもんね(笑)。映画のストーリーを簡単に言うと前述したとおりなんですが、寂れた映画館に現れた映画の迷宮で、ミュージカル、チャンバラ、任侠、コメディ、ラブ&ファンタジー、サスペンスにアクションとエロス、そしてSFとあらゆる映画の醍醐味を堪能することになります。初めて大林監督の映画をご覧になるのであれば、映画が始まって1分もしないうちに何か不思議な異世界へ引っ張り込まれてしまったような感覚に陥るはずです。映画の概念が180度ひっくり返されることでしょう。えっ!?これって映画??そんなふうに思われる方もいらっしゃるでしょう。はい、映画です。これが大林ワールド全開の映画です。そしてもう一つ付け加えるなら、多彩なキャストも大林作品の魅力です。あんな人やそんな人まで!とにかく、自由奔放で軽妙洒脱な唯一無二の息つく間もない2時間59分の映画体験をすることになるでしょう。映画作りに定石や、外してはいけない決まり事なんてない。大林作品を観るといつもそんなことを感じます。大林監督の言葉を借りて本作をこんなふうにお伝えしましょう。―“さぁ、いらはい、いらはい!”キネマの玉手箱“ どうぞ手に取り、あけて御覧なさいませ!面白くて為になるよぉ!!―
     ご存じの方も多いと思いますが、本作は大林監督の最新作にして遺作となってしまいました。この映画の公開は4月10日を予定していたのですが、新型コロナウイルスの影響で公開が延期になってしまいました。2016年に肺がんで余命を宣告された後も命を削るように映画作りに情熱を傾け続けた大林監督が82年の生涯を閉じたのは、奇しくも当初の公開予定日だった4月10日でした。
     どこまでも型破りな大林作品ですが、この映画の最後に監督自身の言葉によって“終わり”ではなく“中断”であると伝えられます。では、いつこの作品は終わりを迎えるのでしょうか?「過去は変えられないが未来は変えられる」と監督は訴えます。この映画がこの先の未来に語り継がれ、戦争のない真に平和な世界が訪れた時にこの作品は終わるのかもしれません。
     ※「海辺の映画館―キネマの玉手箱―」は9月11日~上映開始
       公式サイトはこちら→https://umibenoeigakan.jp/

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    【とやま】8月おすすめ作品 ★8/28(金)~9/10(木)『パブリック 図書館の奇跡』★

    2020.08.23 投稿

    みなさん、こんにちは♪
    J MAX THEATERとやまをご利用頂きまして、誠にありがとうございます。
    もうすぐ、8月も終わりますね。
    でも、まだまだ、始まる映画があるんです!!紹介したい作品があるんです!!
    8月最後におすすめするのはこちら→『パブリック 図書館の奇跡』です。

    【作品紹介】
    “正義”というのは実にやっかいなものだなぁと思うことがあります。二国がそれぞれの正義を主張し合う戦争なんて、その最たるものじゃないでしょうか?身近な家族間においても、日々の社会生活の中にあっても相対する者同士の意見がすれ違うことはよくありますよね。お互いにはお互いの大義があり、それぞれの正義があります。

     大寒波に見舞われているアメリカ、オハイオ州シンシナティ。町の公共図書館には大勢のホームレスが寒さをしのごうと朝9時の開館前から列をなしています。ある日、閉館時間になってもホームレスたちは退去しません。大寒波でホームレスの凍死者が続出しているのに市の緊急シェルターはどこも満杯で身を寄せる場所がないのです。彼らは図書館に居座り一晩過ごそうとします。図書館のルールを守るべきか、行き場のないホームレスたちを助けるべきか ―― 今週28日(金)から上映する「パブリック 図書館の奇跡」は、図書館という公共施設を舞台に正義の在り処を巡る一夜の騒動を描きます。
     本作の監督、脚本、そして主演を務めたのはエミリオ・エステベス。父がマーティン・シーン、弟がチャーリー・シーンという映画一家。1980年代より青春映画のスターとして活躍すると同時に映画監督としてのキャリアも積み重ねていった根っからの映画人で、本作は監督7作目となります。
     エミリオ・エステベスが演じるのは図書館職員のスチュアート・グッドソン。劇中ではスチュアートが図書館職員になったいきさつも描かれているのですが、スチュアートの少し傷のある過去もあって、彼はホームレスのような社会的弱者に対しては寛容な態度で接しています。そして、スチュアートは、ホームレスとともに図書館を占拠しこの窮状を訴えることを決意します。
    平和裏に自分達の望む方向に事態が向かうことを願っていたスチュアートやホームレスたちですが、次期市長選を伺う検察官が参入してきたり、騒動を嗅ぎ付けたメディアがフェイクニュースを拡散しツイッターのフォロワーが3000人も増えたと狂喜したり、思わぬ方向にことが進んでいってしまいます。
    市長のイスをねらっている検察官は、「法と民主主義を守るのが私の務めだ。」と警察部隊の突入による強硬策を主張します。一方で館長のアンダーソンは、「私は市民の情報の自由のために全人生を捧げてきた。公共図書館はこの国の民主主義の最後の砦だ。」と、スチュアートを擁護しようとします。倫理観と法に基づき秩序を守ろうとすることも民主主義のあり方でしょう。また、個人の自由や最低限の人権が保障されることも民主主義のあるべき姿です。それぞれの立場で正義の在り処は違ってきます。どちらが正しいとか間違っているとかは言えません。
      本作では1939年に発行されたジョン・スタインベックの代表作「怒りの葡萄」が重要なモチーフになっています。小説「怒りの葡萄」発売当初、描かれている差別や搾取について、物語の舞台となったカリフォルニアやオクラホマを中心にそれを否定する世論が大きくなり、多くの図書館で閲覧禁止となりました。このことに端を発して1948年に作られたのが『図書館の権利宣言』です。 ― 図書館は利用を希望する個人や団体の信条にかかわらず公平な立場で利用できる。図書館がサービスを提供している資料は、その出自、背景、見解などの理由で除外されるべきではない(アメリカ図書館協会 図書館の権利宣言より抜粋)―
     劇中で、スチュアート(エミリオ・エステベス)が「怒りの葡萄」の一節を持ち出します。スチュアートの図書館員としての矜持が溢れ出たシーンであると同時に、エミリオ・エステベス自身がアメリカ社会に対して強烈な一撃を放ったシーンでもあると思います。皆さんも是非、作品をご覧になって正義の在り処について考えてみてもらえたらと思います。

    ※「パブリック 図書館の奇跡」は8月28日(金)~9月10日(木)まで2週間限定上映
      公式サイトはこちら→https://longride.jp/public/
    ぜひ、お見逃しなく!!
    J MAX THEATERとやまでご鑑賞下さい!!

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